あとがき



「まえがき」にも記したように、ブログで「謡曲の自分史〜謡蹟めぐり」が今年の8月で終了したので、9月初め頃今度はホームページで「海軍の自分史」を綴ってみようと思い立った。

内容については2年程前に自分の孫たちに残そうと「五分前」という題名で書いたものがあったので、それを一般向けに書き直せばよいと思った。ブログの経験であまり費用をかけずに多くの人に見ていただけるのが魅力であった。

ホームページの作成ソフトについて種々検討した結果、「i Web」というソフトが手軽で、アップルストアに申込むと「One to One」のサービスで、一対一で教えてくれるとのこと。これに申込んで渋谷まで何回か通い講習を受けなんとか公開に漕ぎつけた。


一通り書き終えて読み直して見ると感慨無量である。振り返ってみると私の人生観の原点は旅順時代に培われたように思われる。

「五分前」「スマート」「負けじ魂」「指揮官先頭」「五省」等々。

また旅順での恒見(鉾立)教官の次の言葉には全く同感である。

「無私、無我、純粋無雑、克己、実行力、今一度あの時の気持に立ち帰ったらどんなことでも出来るでしょう。」

「国の危急存亡のときその情熱を燃やすことの出来ない人間が何で平和の時だけに情熱を傾けられましょう。」

「こんな疲弊のどん底の日本を自分達の子孫には渡せないと額を大地にすりつけて刻苦勉励した。そして世の指導者となった。そして斯くも輝かしい繁栄を築き上げた。」

私の受けた海軍の教育は厳しかったが良かったと思っている。後悔はなくむしろ誇りに思っている。あの時から62年を経過して、平和で豊かな日本を次の世代に引き継ぎ、心豊かに老後を送ることの出来るのは嬉しく有難いことである。


平成19年12月

高 橋 春 雄





はじめに
1  海軍志願から入隊まで
2  大竹海兵団から旅順へ
3  旅順海軍予備学生教育部
4  大竹海軍潜水学校
5  大竹潜水学校 柳井分校
6  倉橋島基地(大浦突撃隊)
7  小豆島基地(小豆島突撃隊)
8  戦後の小豆島・蛟竜艇長第17期会
9  戦友会 − 旅魂会
10  蛟竜艇長第17期会刊行の著作
11  靖国神社・遊就館
12  旧海軍兵学校
13  海軍思い出の地・行事
あとがき
■ 資料 ■
資料1  旅順海軍予備学生時代、 私の「学生(生徒)作業簿」
資料2  「旅魂」編纂に関するアンケート回答
資料3  宇都大尉  餞の言葉  士官の心得
資料4  海軍時代によく歌った歌
資料5  佐久間艇長を偲ぶ
資料6  出陣賦(辞世の和歌集)
資料7  「嗚呼特殊潜航艇」碑  その建立と除幕式の模様
資料8  蛟竜艇長第17期会総員集合  参加記録
資料9  佐野大和著「特殊潜航艇」  抜粋
資料10  旅魂会  参加記録
資料11  鉾立(恒見)教官  訓話
資料12  田中穂積を偲ぶ
資料13  旅魂会  最終回資料
資料14  孫たちに伝え残したいこと
資料15  ハワイ 真珠湾めぐり
資料16  基地の地図

特殊潜航艇「蛟竜」−高橋春雄・海軍の自分史−

特殊潜航艇「蛟竜」−高橋春雄・海軍の自分史−