特殊潜航艇「蛟竜」(海軍の自分史)  はじめに



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江田島、旧海軍兵学校資料館前の特殊潜航艇

江田島、旧海軍兵学校資料館前の特殊潜航艇
この潜航艇で出撃の予定であった。





ま え が き

昭和19年、19歳だった私は逓信省の学校だった逓信官吏練習所に在学中であったが、日増しに悪化する戦局に先輩たちの後に続かなければと思い、海軍予備生徒を志願した。

幸い合格、9月20日広島県大竹海兵団に入団、すぐ旅順の予備学生教育部に移り5ヵ月間、海軍士官としての基礎教育を受けた。特攻を志願した私は大竹潜水学校で、特殊潜航艇の艇長講習員として訓練を受けることとなった。柳井の潜水学校分校、倉橋島と瀬戸内海の各地を転々としながら、最後は小豆島で実際の潜航艇に搭乗、四国南岸の小勝島基地に出撃訓練などをしているうちに終戦を迎えた。

もう少し戰争が長びいておれば当然「水漬く屍」となっていた筈の私が82歳まで生き永らえてしまった。戦後KDDに勤務する傍ら、趣味として謡曲を楽しんできたが、海軍の思い出は命がけであったため強烈である。 戦後、私自身も一人で、あるいは家族、戦友と一緒に思い出の地、旅順、大竹潜水学校、柳井分校、倉橋島、小豆島、鳴門海峡、四国南岸の小勝島等、戦時中に過ごした各地を訪ねた廻った。また、旅順時代、小豆島時代の戦友会は今日もなお続いており、その 仲間たちと各地を訪ねたり、本を作ったりで思い出は尽きない。

昨年10月から今年の8月まで投稿してきた、私のブログ「謡蹟めぐり」(いわば私の謡曲の自分史)が終了したので、今度は私の「海軍の自分史」を今度はホームページで綴ってみようと思い立った。62年間に亘る私の「海軍」の思い出と、若い世代に望むことなどをまとみて見ようと思う。

平成19年11月吉日

高 橋 春 雄

 



特殊潜航艇「蛟竜」(海軍の自分史)  目次


まえがき

1  海軍志願から入隊まで

2  大竹海兵団から旅順へ

3  旅順海軍予備学生教育部

◯概説 
◯躾教育 
◯理数系重視の座学 
◯寒い冬とスケート 
◯釣床(ハンモック)   
◯軍歌演習 
◯二○三高地(爾霊山)
◯東鶏冠山北堡塁 
◯始めての外出 
◯短艇(カッター)遭難 
◯土城子の野外演習 
◯特攻志願 
◯戦後再び旅順・大連を訪ねる
資料「学生(生徒)作業簿」  
資料「アンケート回答」  
資料「餞の言葉 士官の心得」   
資料「海軍時代によく歌った軍歌」  

4  大竹海軍潜水学校

◯概説 
◯潜水艦の見学 
◯星座の勉強 
◯敵機来襲、味方機炎上 
◯外出、佐久間艇長の遺品を見る 
◯戦後、大竹を訪ねる 
資料「佐久間艇長を偲ぶ」 

5  大竹潜水学校 柳井分校

◯概説 
◯上原保郎君のこと 
◯河部煕君のこと 
◯「出陣賦」のことども
◯戦後柳井分校跡訪問
資料「出陣賦」 

6  倉橋島基地(大浦突撃隊)

◯概説 
◯鈴木健之君の日記 
◯戦後始めて一人で倉橋島を訪ねる
・「特殊潜航艇基地の碑」 
◯長男と二人で倉橋島を訪ねる
・「嗚呼特殊潜航艇」碑 
◯「嗚呼特殊潜航艇」碑 その建立と除幕式の模様 
◯戦友たちと倉橋島を訪ねる・特攻基地大浦崎(P基地)の碑
◯呉港、音戸の瀬戸
資料「嗚呼特殊潜航艇碑 その建立と除幕式の模様」 

7  小豆島基地(小豆島突撃隊)

◯概説 
◯小豆島における訓練 
・宿舎 
・教官 
・基地 
・4名の部下を預かる 
・機動艇操縦訓練 
・目標艦に乗る 
・船に酔う 
・始めて潜航艇に搭乗 
・敵艦を襲撃するには
・機雷に触れたのかも 
・沈座の思い出 
◯目標艦芙蓉丸、敵機の銃撃を受け9名戦死  
◯小勝島出撃訓練 
・出撃基地 
・予備艇長として同乗 
・播磨灘 
・潮待ち 
・鳴門海峡 
・太平洋 
・水漬く屍 
・小勝島 
・玉野造船所で修理 
・出撃 
◯ 終戦 
・出撃した艇も戻る 
・寒霞渓での痛飲 
◯ 復員

8  戦後の小豆島・蛟竜艇長第17期会

◯戦後始めての小豆島訪問(昭和51年) 
・寒霞渓 
・太陽の丘 
・丸金醤油の工場
◯家族と小豆島を訪ねる(昭和59年)
・宮山忠魂碑 
・二十四の瞳、岬の分教場跡 
・鳴門海峡と鳴門大橋 
◯戦友会(蛟竜艇長第17期会) 
・第1回総員集合(昭和60年)(戦友と再会、基地跡の塔、当時の宿舎発見) 
・海上慰霊祭・霊場めぐり 
・追悼の辞をささげる 
・艇付、吉田孝至、武田実両君との再会 
◯小勝島を訪ねる 
◯小豆島88ヶ所霊場巡拝(平成16年)
資料「蛟竜艇長第17期会総員集合参加記録」 
資料「佐野大和著特殊潜航艇」    

9  戦友会 − 旅魂会

◯概説 
◯第2回旅魂会・鉾立(恒見)教官の訓話(昭和46年5月) 
◯第12回旅魂会(昭和56年6月)
◯第15回旅魂会(昭和59年6月)
◯「旅魂」旅順予備学生教育部兵科第五期学生・二期生徒の記録刊行 
◯旅魂会九州成仁会の集い参加 
◯特攻殉国の碑 
◯第32回旅魂会(最終回)(平成18年4月) 
◯旅魂会通信第5号「会員の近況」作成(平成19年10月)
資料「旅魂会参加記録」 
資料「鉾立(恒見)教官の訓話」 
資料「田中穂積を偲ぶ」
資料「旅魂会最終回資料」

10  蛟竜艇長第17期会刊行の著作

◯「貴様の俺の青春賦」(平成5年9月刊行) 
◯「特攻艇長たち 次世代への遺言」(平成16年7月刊行)
資料「孫たちに伝えたいこと」   

11  靖国神社・遊就館

◯靖国の桜 
◯昇殿参拝 
◯靖国神社の桜の下で「同期の桜」を歌う会 
◯終戦記念日・開戦記念日 
◯初詣 
◯遊就館の改修新築 
◯九軍神の写真と特殊潜航艇模型 
◯水中特攻兵器「回天」実物・「海竜」模型 
◯大西滝次郎海軍中将の遺書 
◯花嫁人形 
◯ドキュメント映画「私たちは忘れない」 
◯野外劇「同期の桜」

12  旧海軍兵学校

13  海軍思い出の地・行事

◯大津島・回天基地跡 
◯三机湾・九軍神訓練の地 
◯海軍予備学生碑と顕彰式 
◯観艦式見学 
◯出陣学徒壮行の地 
◯ハワイ・真珠湾 
◯キャンベラ・戦争博物館・特殊潜航艇実物 
◯ワシントンDC・航空宇宙博物館 
資料「ハワイ真珠湾」

あとがき


資 料 編


資料1  旅順海軍予備学生時代、 私の「学生(生徒)作業簿」

資料2  「旅魂」編纂に関するアンケート回答

資料3  宇都大尉  餞の言葉  士官の心得

資料4  海軍時代によく歌った歌

資料5  佐久間艇長を偲ぶ

資料6  出陣賦(辞世の和歌集)

資料7  「嗚呼特殊潜航艇」碑  その建立と除幕式の模様

資料8  蛟竜艇長第17期会総員集合  参加記録

資料9  佐野大和著「特殊潜航艇」  抜粋

資料10  旅魂会  参加記録

資料11  鉾立(恒見)教官  訓話

資料12  田中穂積を偲ぶ

資料13  旅魂会  最終回資料

資料14  孫たちに伝え残したいこと

資料15  ハワイ 真珠湾めぐり

資料16  基地の地図




はじめに
1  海軍志願から入隊まで
2  大竹海兵団から旅順へ
3  旅順海軍予備学生教育部
4  大竹海軍潜水学校
5  大竹潜水学校 柳井分校
6  倉橋島基地(大浦突撃隊)
7  小豆島基地(小豆島突撃隊)
8  戦後の小豆島・蛟竜艇長第17期会
9  戦友会 − 旅魂会
10  蛟竜艇長第17期会刊行の著作
11  靖国神社・遊就館
12  旧海軍兵学校
13  海軍思い出の地・行事
あとがき
■ 資料 ■
資料1  旅順海軍予備学生時代、 私の「学生(生徒)作業簿」
資料2  「旅魂」編纂に関するアンケート回答
資料3  宇都大尉  餞の言葉  士官の心得
資料4  海軍時代によく歌った歌
資料5  佐久間艇長を偲ぶ
資料6  出陣賦(辞世の和歌集)
資料7  「嗚呼特殊潜航艇」碑  その建立と除幕式の模様
資料8  蛟竜艇長第17期会総員集合  参加記録
資料9  佐野大和著「特殊潜航艇」  抜粋
資料10  旅魂会  参加記録
資料11  鉾立(恒見)教官  訓話
資料12  田中穂積を偲ぶ
資料13  旅魂会  最終回資料
資料14  孫たちに伝え残したいこと
資料15  ハワイ 真珠湾めぐり
資料16  基地の地図


特殊潜航艇「蛟竜」−高橋春雄・海軍の自分史−

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