20年間続いた小豆島における蚊龍艇長十七期会に慰霊行事が、平成16年9月の第20会総員集合をもって一区切りしたのを期会に、念願の小豆島88ヵ所霊場めぐりを思い立ち、11月に4泊5日で巡拝することが出来た。
小豆島にも四国と同じく88ヵ所の霊場があり、その中には戦友会で訪ねた1番の洞雲山や3番の観音寺、戦友の葬儀を行った極楽寺も含まれる。小豆島へは20年もの間毎年通っているが、何時も宮山の忠魂碑と旅館だけ、時には寒霞渓や二十四の瞳の岬の分教場に寄ることはあっても小豆島全体のことは余り知る機会がなかった。
今回は羽田から高松までは飛行機、高松からはフェリーで小豆島の土庄港へ。土庄のホテルニュー観海に4泊して、88ヵ所の札所その他を訪ねた。洞雲山や極楽寺も懐かしく、小豆島大観音、笠ガ滝の鎖場、大坂城残石記念公園、応神天皇手植えと言われる宝生院のシンパクなど新しい発見も多く思い出深い旅行となった。
いくつかの札所を廻って、バスは丸金醤油のあたりに差しかかった。私たちが戦時中特殊潜航艇の訓練を受けていた所である。その時、マイクロバスの運転手兼ガイドさんが、
「このあたりは『苗羽』と書く地域ですが、なんと読むか分かりますか。分かった方には私から商品を差し上げます。」
という。私はこの地名を知っていた。誰も返事がないので私が
「『のうま』でしょう」
と答えると、ガイドさんはびっくりして
「よくご存知ですね。今まで何回か同じ質問をしましたが、正しい答えをした方は一人もいませんでした」
と用意していた商品を私に渡してくれた。私はこの地名を知っている経緯を手短かに皆さんに説明した。
十七期会の公式行事は平成16年で終わったが、17、18、19とその後も毎年有志の会に参加しているし、今後も体調が許すかぎり訪ねたいと思っている。
小豆島大観音 (平16.11)
笠ガ滝の鎖場 (平16.11)
石門洞 (平成16.11)
1番 雲洞山 (平成16.11)
極楽寺 (平成16.11)
宝生院 応神天皇手植えのシンパク (平成16.11)
大坂城残石記念公園 (平成16.11)
小豆島88ヶ所 御朱印 掛軸
「日々是好日」 −高橋春雄・私の履歴書−