私の履歴書60   好きなうた(漢詩)

偶 成   朱熹

少年易老学難成 一寸光陰不可軽

未覚池塘春草夢 階前梧葉己秋声

(読)

少年老いやすく学成り難し 

一寸の光陰軽んずべからず 

未だ覚めず池塘春草の夢    

階前の梧葉すでに秋声




将東遊題壁  釈月性

男児立志出郷関 學若無成死不還

埋骨何期墳墓地 人間到處有青山

(読) 

将に東遊せんとして壁に題す

男児志を立てて郷関を出ず 

學若し成る無くんば死すとも還らず 

骨を埋むる何ぞ期せん墳墓の地 

人間到る處青山有り




照鏡見白髪  張九齢

宿昔青雲志 蹉・白髪年

誰知明鏡裏 形影自相憐

(読)

宿昔(しゅくせき)青雲の志 

蹉・(さた)たり白髪の年 

誰か知らん明鏡の裏に 

形影自ら相憐れむを 




送元二使安西   王維

渭城朝雨潤軽塵 客舎青青柳色新

勧君更盡一杯酒 西出陽関無故人

(読)

渭城朝雨 軽塵を潤す 

客舎青々 柳色新たなり 

君に勧む更に尽くせ一杯の酒    

西の方陽関を出でなば故人無からん




長恨歌(部分) 白居易

在天願作比翼鳥 在地願為連理枝

天長地久有時尽 此恨綿綿無尽期

(読)

天に在りては願わくは比翼の鳥となり 

地に在りては願わくは連理の枝とならん        

天長く地久しきも時有りて尽く 

此の恨みは綿々として尽くるとき無からん




飲中八仙歌(部分) 杜甫

李白一斗詩百篇 長安市上酒家眠

天子呼来不上船 自称臣是酒中仙

(読)

李白一斗詩百篇 

長安市上酒家に眠る 

天子呼び来たれども船に上らず 

自ら称す臣は是れ酒中の仙と




楓橋夜泊   張継

月落烏啼霜満天 江楓漁火対愁眠

姑蘇城外寒山寺 夜半鐘声到客船

(読)

月落ち烏啼いて霜天に満つ 

江楓の漁火愁眠に対す 

姑蘇城外の寒山寺 

夜半の鐘声客船に到る




戦国  上杉謙信

霜満軍営秋気清 数行過雁月三更

越山併得能州景 遮莫家郷憶遠征

(読)

霜は軍営に満ちて秋気清し 

数行の過雁月三更 

越山併せ得たり能州の景 

遮莫(さもあらばあれ)家郷遠征を憶うを




偶成  西郷隆盛

不為児孫買美田

(読)

児孫の為に美田を買わず

「楓橋夜泊」の碑<br />  中国蘇州 寒山寺 (昭50.12)
「楓橋夜泊」の碑
  中国蘇州 寒山寺 (昭50.12)

寒山寺 中国蘇州 (昭50.12)
寒山寺 中国蘇州 (昭50.12)

寒山寺前にて 中国蘇州 (昭50.12)
寒山寺前にて 中国蘇州 (昭50.12)

「楓 橋」 中国蘇州 (昭50.12)
「楓 橋」 中国蘇州 (昭50.12)

上杉謙信居城 春日城址<br />  新潟県上越市 (平6.10)
上杉謙信居城 春日城址
  新潟県上越市 (平6.10)



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「日々是好日」 −高橋春雄・私の履歴書−