神泉苑池

謡蹟めぐり  鷺 さぎ

ストーリー

夏の夕方、時の帝が大臣を始め蔵人などを召されて神泉苑に御行遊ばします。帝が池の汀で夕涼みなさっていると、池の洲崎で遊んでいる1羽の白鷺をご覧になり、蔵人に命じて捕らえさせようとします。
蔵人は仰せを承って、少しずつ鷺にねらい寄り、岩の陰からこれを捕らえようとしますが、その都度鷺は驚いて羽音をたてて逃げていきます。蔵人は致し方なく、鷺に、これは勅諚であるぞと言うと、鷺は立ち帰って来て、羽を垂れて静かに地に臥すので、蔵人はこれを抱き上げて、御前に持参しました。
帝はことのほかこの様子に感じ入り、鷺にも蔵人にも共に五位の位を授けます。そして宴をひらかれ、舞楽を奏で、王威の恩徳をのがれぬ鷺であるから。この鷺を放せとの御諚を下されたので、宣命を含めて、鷺を放したところ、鷺はさも嬉しそうに空に飛び上がり、そのままどこともなく飛び去りました。(「宝生の能」平成11年10月号より)

神泉苑         (平14・10記)

本曲の舞台神泉苑は平安遷都の際し御苑として作られ、広大な池は旱魃でも涸れることなく、水門を開いて田畑に灌漑したこともあるという。雨乞祈願も度々行われたといい、「絃上」では師長が琵琶を弾いて雨を降らせたとある。
この広大な池も次第に縮小され、ことに徳川家康が二条城を築いた時北の半分が潰されて、小さないけとなった。

神泉苑橋 神泉苑の橋 京都市中京区門前町 (平10.4)

神泉苑池 神泉苑の池 (平10.4)


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