見笠山

謡蹟めぐり  谷行 たにこう

ストーリー

今熊野に住居する山伏阿闍梨は、松若という弟子があったが、まだ稚いので都の母の許に置いていた。阿闍梨は峯入修行に出かける前に松若を訪ねてこの由を告げたところ、松若は母の安穏を祈るために強いて師匠に乞い、母の許しをも得て峯入りの人数に加わり、幼いながらも兜巾、鈴懸に身をかためて出発した。
急ぐ程に葛城山にたどりついたが、稚き松若は馴れぬ旅路の疲れか病を得て難儀をした。そこで山伏道の大法によって面々衆議をこらした結果、松若を谷に捨てることに決し、阿闍梨も止むなく松若を谷行に行ったのである。けれども師匠阿闍梨は何んとしても松若が不憫に思われ、その場を去るにしのびず、自身をも谷行にしてくれとまで嘆き悲しむので、他の山伏達も深く同情し、今こそ我らが法力を活かさんといい、各力を合わせて祈願を営んだのである。すると役の行者が現れ出で、祈願の程を、かなえさせようとて、伎楽鬼神を呼びよせて松若の死体を拾わせ、めでたく松若を蘇生させて阿闍梨の手にあたえ、行者も鬼神も大峯高く虚空にその姿を消え失せた。(謡本より)

宇治の山、三笠山、布留の神杉、三輪山  (平18・12記)

都今熊野に住む山伏が弟子の松若を連れて峯入りのため葛城山に向かう。宇治の山、春日野、三笠山、布留の神杉、三輪山を経て葛城山に到着する。それぞれの写真を掲げる。葛城山は「葛 城」参照。

宇治川と宇治の山 宇治の山と宇治川 京都府宇治市 (平18.11)

見笠山 三笠山 奈良市 (平6.4)

石上神宮 布留の神杉 石上(いそのかみ)神宮 奈良県桜井市 (平8.9)
神剣を納めた上に植えた神木の杉という

三輪明神 三輪山と三輪明神 奈良県桜井市 (平8.9)


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