芦屋川

謡蹟めぐり  藤栄 とうえい

ストーリー

時の執権最明寺時頼は、民情を視察するため修行僧姿で諸国を廻っていて、摂津国芦屋の里の貧しい塩屋に一夜の宿を借ります。この家の主は、まだ少年ですがいかにも気品があって尋常の育ちとも思われません。時頼が素性を問うと、地頭の藤左衛門の一子月若であると告げ、父の死後叔父の藤栄に所領を横領されてしまった事を語ります。時頼は、三日のうちに月若を世に出す事を約束します。
一方、藤栄は今日も悪友の鳴尾たちと浦遊びをして騒いでいます。僧姿の時頼が藤栄の近くにやって来て、舞を舞う藤栄にさらに一曲所望すると藤栄は、小癪な修行僧よと羯鼓を打ってみせ、その途中で打ってかかりますが、すかさず時頼が笠を取って名乗りをあげたため、恐れ入ってしまいます。時頼は、藤栄を十分に懲らしめ、所領を月若に返させて政道の正しさを示し、また旅路につきます。(「宝生の能」平成13年4月号より)

芦屋の里  芦屋市 (平19・2記)

舞台の芦屋の里は兵庫県芦屋市である。「雲林院」の業平や公光の史跡があり、「鵺」の鵺塚があるので訪ねたことがある。本曲に関連しては子方月若の名をとったと思われる「月若町」「月若橋」などがある由であるが訪ねていない。
芦屋の往時の面影を少しは留めている芦屋川河口を望むものと、後半の舞台に近いと思われる河口付近の写真を掲げる。

芦屋川 芦屋の里 芦屋川河口を望む 兵庫県芦屋市 (平2.5)

芦屋の浦 芦屋川河口付近 芦屋市 (平2.5)

時頼関係謡蹟  (平19・2記)

北条時頼関係の曲としては「鉢木」がある。時頼関係の謡蹟は一括してその項に掲げたいと思っており、ここでは割愛させていただく。


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